(社)甲府青年会議所はSDGsを推進しています。

理事長所信

一般社団法人甲府青年会議所
2019年度理事長 清水孝章

起志快晴

~志を立て、つながりを未来へ紡ぐ~

 

 

 私は、大学を卒業した翌年の2006年にこの一般社団法人甲府青年会議所に入会をさせていただきました。大学から帰ってきたばかりで友人も少なく、取引先の方に勧められ、一人でも多くの知り合いができればと思ったのが入会のきっかけです。これまでに多くの方々と出会い、叱られながらもかわいがっていただき、多くの機会とともに学びや経験を得てまいりました。その機会をいただくことにより、会員同士のつながりや地域住民とのつながり、他団体とのつながり、国際社会とのつながりを体感する中で、自分の事だけでなく、これまでつながってきた多く方々やこの地域に住まう人々の事を考えることで、自分自身がいかにこの街に生かされ、活力をいただいているかに気付くことができました。 

「明るい豊かな社会」の実現という高い志のもと、諸先輩方に築き上げていただいたこの一般社団法人甲府青年会議所の伝統と誇りを胸に山の都へ運動を展開するためには、会員の一人ひとりが、この山の都の未来を思い描き、その志をぶれることなく持ち続けることが必要です。 
68年目を迎える一般社団法人甲府青年会議所は、これまで、地域とのつながりを大切にし、地域の方々に山の都の未来への想いに共感をしていただき、ともに考え、行動し、地域の活力を見出してまいりました。自立し魅力と活力に満ちた山の都をつくりあげるために、しっかりと高い志を立て、今何が必要なのかを考え、議論を交わし、会員一丸となって運動を展開してきたからこそ、地域から認められる存在となったと考えます。
その一方で、一般社団法人甲府青年会議所は今大きな転換期を迎えております。それはアカデミー会員と呼ばれる入会3年未満の会員が半数を超える状況となっていることです。もちろん、新しい会員が多くいることは決して悪いことではなく、様々な考えのもと広い視野を持ち続けることも必要です。しかし、これまで諸先輩方に築き上げていただいた伝統に対して誇りや責任を感じ、地域から負託を受け続けることの重要性は実感できているでしょうか。私自身もアカデミー会員と呼ばれた時にはまだまだ理解ができておらず、諸先輩方や地域とつながりを深めていく中で、少しずつ身についていったものです。しかし、一般社団法人甲府青年会議所の存在意義を確立し、方向性を同じくした高い志を持った運動を展開していくために、会員の多くを占めるアカデミー会員に理解してもらうことは急務であると言えます。

 

 本年度、一般社団法人甲府青年会議所では、諸先輩方から連綿と受け継がれてきた歴史と伝統、誇りをしっかりと会員の胸に根付かせていくために、会員同士や地域、そしてこれからの未来へのつながりの大切さを実感し、一つひとつを紡ぎ結びつけてまいります。そして、組織の団結をより強固なものにし、会員それぞれが「明るい豊かな社会」の実現に向けて全会員の志を立てることで、一般社団法人甲府青年会議所がさらに進化できる礎をつくり、70周年、100周年へと向けて邁進していきたいと考えます。

 

<青少年未来共創委員会>
 この山の都の未来を考える上で、欠かせないのはこの地域の宝である青少年です。青少年のために、この山の都をさらに暮らしやすい街にしていくことは、私たち大人の責務であると言えます。
 一般社団法人甲府青年会議所は、2017年から「これからのまちづくり」について地域の方々とともに考えてまいりました。その中で、この街をさらにより良い社会へ発展させることができるかという課題に対して、一つの結論として「雇用」の重要性が導き出されました。
青少年たちが社会に出て働き始める時、どうしたら自分たちが生まれ育ったこの地域で働きたいと思ってもらえるでしょうか。ただ将来の責任を押し付けるのではなく、この山の都について見聞きし、学び、より良い地域にするために考え、そのためにどのように行動すれば良いかをともに考えることで、愛郷心を芽生えさせることが必要であると考えます。
 青少年に、自身がこれからどのような仕事をしたいのか、どのような街に住み、どのように街に関わっていきたいのかを真剣に考えてもらうために、山の都にはどのような産業や仕事があるのかを実際に体感し、それらがどのようにまちづくりに活かされているのかを考えていただきたいと思います。同時に、海外の文化・風土・習慣を知り、文化や風土の違いが産業や地域のまちづくりに対してどのような影響をもっているかを学んでいただきます。
 それらを山の都のまちづくりへ応用し、これからの時代において、山の都に何が必要であるかをともに考えてまいります。

 

<会員拡大委員会>
 青年会議所運動において、会員拡大は青年会議所運動そのものであると言っても過言ではありません。そこで大切なのは、会員一人ひとりが日頃から家族や所属企業、地域住民に対し、青年会議所運動に対する情熱や地域への想い、さらには自分自身がどれだけの学びや気づきを得ることができたのか、そしてこの組織の可能性や会員としての誇りをいかに伝えられるかであると考えます。
 しかし、この時代において、ただ一方的に伝えていくだけの拡大活動では成功は見込めません。明確な目標を立て、戦略を練り、計画的に努めることを課題とし、会員全員で拡大に取り組む仕組みを構築してまいります。
また、新入会員がもたらす知識、情熱、やる気は、既存のメンバーにとっても大変大きな力となります。そして、その力を一つに束ねることで、地域を変える原動力に昇華させることができます。そのために、新入会員の一般社団法人甲府青年会議所の運動に対する理解と会員同士のつながりをしっかりと深めてまいります。

 

<例会フレンドシップ委員会>
 例会は一般社団法人甲府青年会議所の発信の場であるとともに、多くの学びを得る機会であり、交流をはかる大切な場であります。しかし近年、会員の例会出席率は低迷しております。例会の出席率を向上するためには、人と人とのつながりを醸成し、例会の重要性を伝えていくことが重要だと考えます。
 そのためには、会員相互の交流をはかりつづけることが大切です。それぞれの委員会では、事業の計画や構築、実行において苦楽をともにすることで、メンバー同士のつながりはおのずと強固なものになっていきます。その委員会内にあるつながりを活用し、さらに各委員会同士を結び付け、全体的なつながりへと発展させていきたいと考えます。
 また、組織をさらに発展させるためには、シニア会員とのつながりも今まで以上に必要となってくるのではないでしょうか。これまで一般社団法人甲府青年会議所を築き上げていただいた先輩方と交流をはかり、今日まで連綿とつながってきた歴史や時代背景、当時の想いを知ることにより、歴史や事業をさらに昇華させていくことが可能となります。もっとも大切な会員同士やシニア会員とのつながりをより強固なものにし、組織力の向上をはかります。

 

<会員研修委員会>
 青年会議所の役割の一つに、地域や企業の指導者として会員を育成していくことが挙げられます。会員が個人としてだけではなく、組織人としても成長していくことは、青年会議所に会員を送り出している企業や組織にとって、強く期待していることではないでしょうか。会員が人を動かし、組織を運営していくことのできる青年経済人としてさらに成長していくことで、その期待に応えるとともに、一般社団法人甲府青年会議所という組織の力も高めていくことができます。
 私たちが地域に対して「明るい豊かな社会」の実現をいくら唱えても、私たち自身の言葉や行動、態度に説得力がなければ、その想いを地域に伝えることができません。広い知識と高い見識、それを支える胆識を体得し、JAYCEEとして、青年経済人として、地域の率先垂範者として、会員一人ひとりが意識を持ち、自己研鑚を重ね自己成長をしつづけていくことが組織や地域の発展へとつながっていくと考えます。

 

<総務渉外委員会>
 一般社団法人甲府青年会議所が、組織として地域のためにより良い運動を展開していくためには、組織運営を円滑におこなっていかなければなりません。組織とは個の集合体です。個であるメンバー一人ひとりをまとめ組織として連携していくことでより効果的な運動をおこなうことができます。また、青年会議所は、多くの会議で議論を重ねることで、地域のためのより良い運動を追求しつづけるとともに、会議を通じたメンバーの自己成長が自ずとはかられる組織です。会議の質が落ちれば、運動の質も落ち、自己成長の機会も失われます。会議の質を高めるために、総務としての下支えが必要です。
 また、渉外や出向においても自己成長を促してくれる機会が多く存在します。そして、従来の活動エリアである山の都を離れ、そこへ至るまでの過程で会員同士のつながりも構築されます。そのような考えのもと、会員研修委員会や例会フレンドシップ委員会とともに渉外事業における会員の出席率向上をはかり、会員の成長と会員同士のつながりをさらに強める機会の提供をしていきます。
 

<総合計画検証会議>
「総合計画2016」は《妥当性》《有効性》《インパクト》《効率性》《持続性》の5サイクルについて明確に検証方法が導入されております。本年度の例会・事業が総合計画2016に定められた「まちづくり」「ひとづくり」「組織づくり」の基本方針に沿っているかどうかをしっかりと検証し、一般社団法人甲府青年会議所の未来のためにさらなる発展につなげていきます。

 

<財政審査会議>
 青年会議所の活動は、会議をおこない会員同士が議論をすることで成り立っています。そして、青年会議所運動の本質を違えることなく事業を計画、協議、審議、実行するためには、これまで多くの経験を積んできた会員がしっかりと計画の内容や予算の使い方を検証し、正しい方向へと導いていくことが必要です。そしてその結果、経験豊富な会員から学びを得ることにより、これからの一般社団法人甲府青年会議所を担っていく若い会員の成長をはかることができると考えます。

<地域連携会議>
 一般社団法人甲府青年会議所は、これまで多くの事業を創り上げ地域へと展開をしてまいりました。その多くの事業は、今なお行政、団体、地域住民により、継続的かつ発展的に運営をしていただいております。私たちも創設を担ってきた団体として参画し、協働して事業を進めているものもあります。他団体が多く関わっている事業こそ、一般社団法人甲府青年会議所の真の力が問われるものではないでしょうか。それら事業にしっかりと対応するために、情報を一元化し、全会員に事業の意義や重要性を伝え、会員一丸となって動いていく必要性があります。
 一般社団法人甲府青年会議所は、甲府市との包括連携協定や「山の都」エリアの社会福祉協議会と防災協定を締結しております。行政や地域の負託に応えることも一般社団法人甲府青年会議所として必要なことです。しっかりと連携をはかり、地域のさらなる発展へとつなげてまいります。また、災害に対しては、日頃からの備えはもちろんのこと、災害が起きたときの機動力も重要となります。多様な職種の会員がいるこの一般社団法人甲府青年会議所は様々な場面での対応が可能となります。万が一の際に機動力を十分に発揮できるような備えをおこなっていくとともに、地域とのネットワークを今まで以上に強固なものとしてまいります。

 

 限られた時間の中でより多くの経験を蓄積するには、自身の実践だけでなく、多くの出会いと交流の中から生まれるつながりが重要になります。このつながりのなかで、一般社団法人甲府青年会議所の歴史や伝統がつくられてきました。
この歴史や伝統を受け継ぎ、仲間たちと運動を展開していくことで、私たちは一人では決して作り上げることのできないつながりを得ることができ、成長していくことができます。地域が昨日よりも今日、今日よりも明日が少しでも良くなるようにと志を立て、行動を起こすことで、多くの人との交流が生まれ、学びが深まり、家族や地域のみならず、自分自身の人生を豊かにしてくれます。

 山の都を明るく輝いた晴れわたる街にするために、そして、この一般社団法人甲府青年会議所の歴史や伝統を次世代へ大きな希望とともに紡ぐために、志を高く掲げ共に進んでいこう。